この老人ホームについてはネットのニュースで頻繁に見ます。
施設長、若山三千彦さんは作家なのでいろんなところに文章を書いています。
自分のペットを連れて入居してきた入居者さんたちの実際の物語。
「こうありたい!」 と、心から思える老人ホーム。
今回は新聞に書かれていた記事です。
我が家は新聞をとっていないけど、猫さんのお世話に山ほど新聞を使うので
夫と私の実家からもらっています。
お世話しながら新聞を読んでいますが、かなり過去の新聞だったり
続きを読みたくても読めないことが多いです。
ですから、この記事も毎週土曜日、全8回だそうですが、今回の1話目しか読めませんでした。
でも、この施設のブログ
https://ameblo.jp/sakuranosato-yamashina/archive-202008.html
にだいたいのことは書いてありますし、
ネットや本、いろんな媒体でこの施設について知ることができます。
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それぞれの最終楽章
ペットとともに ①
私は、神奈川県横須賀市でペットと入居ができる特別養護老人ホーム「さくらの里山科」を2012年から運営しています。犬10匹、猫9匹が、約40人の入居者と住んでいます。
入居者が連れてくる以外に、殺処分されそうな犬や猫を引き取っています。
大好きなペットと一緒に最期までー。
そんな思いを支えるために「山科」を立ち上げました。
本シリーズでは、ペットとお年寄りの物語をお伝えしていきます。
初回は、愛犬チロと入居してきた山口宜泰(よしひろ)さん(享年82)のケースです。2015年夏に末期の咽頭がんがわかり、医師から「余命6ヶ月」の宣告を受けます。
穏やかにチロと一緒に暮らせる介護施設はないか、長女の泰子さんがいろいろ探し、うちの施設を見つけました。
山口さんは、2015年11月に入居しました。
チロはポメラニアンのオスで当時9歳。いつもチロと一緒で幸せそうでした。
「酒を飲みながら、チロとしゃべって、テレビを見るのが一番の幸せ」と話していました。
施設内で毎週火曜にある「喫茶店イベント」には、亡くなる半月ほど前まで、毎回来ていました。職員とボランティアが運営する喫茶スペースで、本格的な機械でいれるコーヒーを150円で飲めます。
入居して2ヶ月目には車いす生活になりましたが、ひざの上にチロを乗せて、喫茶店イベントに参加していました。
山口さんはいつも穏やかな表情で、コーヒーを味わっていました。
参加する入居者さんも、寄ってきてはチロをなでていきました。
山口さんは「残り少ない人生を楽しもう」と、積極的に色々なイベントに参加していました。
さすがにチロは同行できませんでしたが、亡くなる前月、富士サファリパーク(静岡県)にも、みんなで行きました。
入居時に「余命3ヶ月」でしたが既に8カ月が過ぎようとしていました。
16年7月中旬ごろ、山口さんはベッドから起き上がるのが難しくなります。
チロはベッド上でずっと寄り添い、時折顔をなめていました。
山口さんはかろうじて手を持ち上げ、チロをなでていました。
7月24日、山口さんは旅立ちました。
最期の瞬間も、チロは枕元にいました。
念願通り、チロに看取られて逝くことができました。
チロは今も山科にいます。(2020年7月現在)
年相応に弱ってはいますが、まだまだ元気です。
持ち前の社交的な性格で、入居者さんたちになついており、よく抱っこされています。
かつての山口さんと同様に、車いすの入居者さんのひざの上にいることも多いです。
泰子さんも時々、チロの面倒を見に来ます。入居者さんの話し相手もしてくれます。山口さんを見送った後も、チロはみんなを結びつけています。
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新聞記事を少し改行を多くし、一字一句間違わないように打ってみました。
理想の老人ホーム「さくらの里山科」の記事を見るといつも
鼻の奥がツーンとして泣きたくなります。